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山田勇男

ヤマヴィカ映画史23


(写真:スットックホルムでのLes Illuminations展ウィンドウに並ぶ写真集)

さて、今、不器用な「私」の頭のなかには、

映画『イリュミナシオン』のことしかない。

以前、「私」の漫画集『戯れ』(北冬書房)の刊行にあわせて、

収録作品それぞれのポスターを作り、

販売記念展をしてもらったことがある。

その前にもパリで見たポスターに習い、

大きな壁紙の裏を使い自作映画のポスター展を催した。

最近では、人魚の絵に寺山修司実験映画全作それぞれのタイトルに合わせ、

彼の短歌のフェヴァリットの句を入れたポスターを作って展覧会をしている。

そこで、映画作品は仕上がっていないが、映像でのイメージ展開を試みたいと思った。

ロケーションハンティングでも写真として随分撮ったが、

丁度、フランスの友人の結婚式の帰り立ち寄った「幻覺レモン」の村山由希子は、

石垣島で観光写真を撮っていた腕前を活かし、持っていたデジタル・カメラで、

一見しとやかな見かけとは裏腹に、パチパチ、膨大な量を撮っていた。

そこで、遠藤彰の思いつきで、写真集となった。

ゆっくり見ていくと、

今回の個展(註)は自ずと、写真素材を生かし

ポスターと絵葉書のかたちで創作することになった。

註:『イリュミナシオン展:Les Illuminations - Yamavica Chine-Photo-Graphic Exhibition』

2017.7.21~8.12 スウェーデン、ストックホルム

2018.1.20~3.4. 日本、前橋

ずいぶん前になるけれども、

本屋に並んでいた荒木経惟の写真集に

「この一冊は映画のような写真集である」

との一文を読み、映像を撮っている「私」は、その時、

写真の一瞬を見詰めるような意識を持って被写体と向き合っているだろうか、と咄嗟に思った。

基本的に24コマで一秒の映像の、ひとコマひとコマそれぞれに、瞬間を持ち合わせているか。

だったら、写真集のような映画を意識して撮ってみよう、と思った。

それから日々、身の廻りを日記のように、フィルムスケッチしている。

★(続)


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